大切な存在。

「あ!自転車の子!」



「あ、おう。」



「どうしたの?」



「どうしたのじゃねーよ。濡れんだろ。」


「大丈夫!バカだから風引かない!」


そういって笑うと



「っ!!い、いーから持ってけよ!」



「え、悪いよ!!」



「俺はいーから。はやく!」


そういって傘を渡して立ち去ろうとする男の子に向かって



「まって!何組の子ですか?」



「3組」



「あ、隣だ。あと、お名前…聞いてもいいですか?」



「吉澤廉(ヨシザワレン)」



「吉澤くん!!ありがとう!!明日返すね!!」



そのときほんのり顔が赤くなった気がしたけど気のせいかもしれない。



「おう。」


そういって行ってしまった。