こんなはずじゃなかった。
もっと光を浴びて生き生きとしていて、毎日笑顔を絶やさない人生…。
どうして人間は泣くのだろう。
どうして人間は怒りを覚えるのだろう。
どうして人間は
こんなにもろい生き物なんだろう
どうやったら、泣かない人生を歩めるの?
どうやったら、怒りを覚えずにいられるの?
どうやったら、いつでも正しい道を歩めるの?
今まで私が疑問だった事。
その答えの果ては、
無理だということ。
そんなことできない。
だから人間に生まれてくる。
未熟でもろく、泣き虫な人間。
神様は試練を与えた。
それは、ここで生きて
死ぬこと。
自然に命消えるまで、生き通すということ。
「美樹は今まで、悲しいことはあった?」
美樹を見ずに、ただ無限に広がる空を眺めながら私は聞いた。
「うん、あったよ」
「そうだよね」
これが当たり前。
これが、人間。


