蝶と空



いるさ、本当は。


好きで好きでたまらない人が

笑顔が好きな人が


世界で一番


守りたい人が。



いるんだ。確かに。





でも

その人は僕を知らない

会ってはいけなくて…



忘れられない。

好きだ。






でもその気持は、あゆみに知られたくはない


踏みにじられたくはない



だから





いないと言っただけ。




でも、言えばよかったと次の瞬間に思った。



柔らかい日差しが差し込む、シンとした部屋で。



あゆみにキスをされた





頭が真っ白になった



唇が離れたとき



「それって…あたしも好きじゃないってこと?」





そう言われた。