蝶と空





「母さん…!父さん…!紗知が…紗知が!!」



家に帰って叫ぶと、両親はポカンしてと僕の顔を見た。




「空…?一体どうしたのよ?」


「まず落ち着きなさい。ゆっくり呼吸をして、それから話すんだ」




ひゅー ひゅー



喘息(ぜんそく)の小さな胸が、激しく音を立てる。


目には大粒の涙が溜まる。


それから父さんに言われたとうり、ゆっくり呼吸をした








「紗知が…虐待されてる」




それを聞いた母さんと父さんの行動が早かった。




父さんと母さんは、すぐに紗知の家に向かった。