「起きれる?」 「うん。平気…」 ゆっくり起き上がると、コーヒーのいい香りがした。 今、何時だろ…。 そう思って薄紫の小さなバックに手を突っ込むと 三日間、電源の切れた携帯電話があった。 電源を付けて少し経つと、次々にメールが届いた。 全部、お母さん。 どこにいるの? 電話でなさい 紗知、ごめんね お願いだから電話ちょうだい。 不信電話、十件。