「ねぇーちゃん!?おきなってば!
赤馬さん来ちゃうよ、デートでしょ?!」
響き渡る妹 苺花(まいか)の叫び声
んあ?きょう、でーとなの?
そんなことより眠たいんだよぉ
意識のない中ちゃっかり眠たいことだけは
主張している衣舞。
ため息をつく苺花と誠。
「苺花ちゃん、ごめんね。」
「いえ、こちらこそ。アホ姉がすみません!」
「慣れてるよ、部活間に合う?」
「あっヤバいっっっっほんっとすみません!
あとお願いします!」
あ、苺花部活かぁ忘れてたや。
って、今、誠しか家にいないのか。
父さんも母さんも仕事だし
「おはよう、衣舞。
起きないとキス、するけど?」
どこの少女漫画のセリフだバカやろう。
鳥肌たって目がさえたわっ!
そんなあたしをよそに誠は近づいてくる。
あたしは隣にあったクッションを
力の限りぶん投げた。
「…っっっっ!!!!なんなの衣舞」
「なんなのじゃないっつーの!盛るな狼!」
起きなかった自分が悪いとわかりつつも
八つ当たりをするあたし。