そして、体育祭の練習が始まった。


「はーい!みんな聞いて。じゃあ、まずリレーの選手決めるから、100m走ってもらうね。」


と、元気よく叫ぶ先生。

男子がおっしゃー!と叫んだり、女子はえー、やだーと言ってたり。様々な反応が見られる。

琴ちゃんは、運動神経抜群だから、選ばれるんだろうな。


「まじ頑張るっ!」


琴ちゃんは、自信満々にガッツポーズをしながら私に笑顔を見せた。


「頑張ってね!」


さて、私は背が小さいので走る順番も4人ずつだから2番目になっちゃった。

なんで女子からなんだろう。


運動苦手なのにーー。なんでやりたい人だけじゃだめなんだろうか。。


そう思っているうちに、私の列のばん。

練習だって分かってるけど、やっぱ緊張しちゃうな。


「いちについて、、よーい、、どんっ!」



と、思いっきり叫ぶ先生。それと同時に飛び出す私達。


私は、何事もなくゴール!ってわけにもいかず、思いっきり転んでしまった。



「い、痛い…!」


どうやら、足を捻ったみたいで上手く立ち上がれない。


「ちょっと、陽茉莉大丈夫?!」


琴ちゃんが慌てて側に来る。


「ごめん、ドジしちゃった!」


と、笑顔で返す。周りの人が笑ってるよー。恥ずかしい。


早くこの場を立ち去ろうと、痛い右足を引きずって、


「先生、すいません、保健室行ってきます。」


と言った。



「了解!無理しないでね!」



ゆっくり、ゆっくり、保健室に向かった。