私はお花が好きだから、水やりは楽しい。
色んな種類のお花が、きれいに咲いてるのをみると、自然と笑顔になる。
しばらく花に水をあげていると、ひまわりの側の木の幹に寄りかかって、お昼寝をしている男の子を見つけた。
上履き同じ色だから、同じ学年の子かな…?
男の子苦手なんだよなぁ。
でも、チャイム鳴る前に起こしたほうがいいよね…。
最後の花壇は男の子の方にあったから、水をあげるついでに、起こすことにした。
恐る恐る近づく。
わぁ…。きれいな顔。
その男の子は、寝顔でもわかるくらいに整った顔立ちだった。
真っ黒な髪がサラサラと風に揺れている。
こういう人が、琴ちゃんみたいな子と付き合うんだろうな。
「あのー…もうすぐ本鈴鳴りますよ?」
私は、肩をぽんぽんと叩きながら起こした。
すると、長い睫毛がかすかに動いた。
そして大きなあくびをしながら、私を見た。
「お前、誰?」
寝起きだからか、不機嫌そうに顔を歪めて言った。
悪いことしちゃったかな。。
「あ、え、あ、あの、チャイム鳴るから、起こそうかなって、思って、」
「あっそ。」
こう言って、彼はまた寝てしまった。
やっぱり、男子は苦手だな。。

