──でも…そんな俺はバカだった。
まさかあんな事になるとは思わなかった。
ある冬の日の帰り、その日も綾香に断られた日だった。
くだらない話をしながら友達と帰っていると、
「お前さぁー、綾香ちゃんのこと信用し過ぎてね?」
と。いきなり真面目な顔で言われた。
「は??」
一瞬戸惑った。その後、心の奥を見透かされたような感覚に驚いた。
「そんなことねぇよ。」
「そんなことあるから心配してんだろ。」
「綾香はそんなやつじゃない。」
「綾香ちゃんのことよくわかってるなら、すぐに気付くはずだろ。ばーか。」
何故か涙が出てきた。
「お前、本当は気付いてんだろ。綾香ちゃんがなんかあんの。」
ドキッとした。
「お前が違うって言うのは、自分のプライドと本当は気付いてるけど信じたくないっていう気持ちなんだろ?」
俺は言い返す言葉がわからなかった。
「素直になれって」
「おう…。悪かったな。なんか。ありがとう。」
そうだ。その通りだ。
俺は、自分のプライドと信じたくない気持ちで否定し続けてきた。
本当は気付いてんだろ?
何かあるって思ってんだろ?
不安なんだろ?
じゃあどうすればいい。
──会えばいい。
会えないのなら、会いに行けばいい。
迎えに行けばいい。
俺は、気付いたら学校の方へ走り出していた。

