「あっっついなぁ。もう!!!」


中庭でお昼を食べてたら、
私の親友の琴音が箸を振り回して叫んだ。



「まあまあ、落ち着いて、琴ちゃん。」



私はすかさずなだめる。
このやりとりを何回やったことか。



琴音は私の幼なじみで、大切な親友。


元気で、明るくて、私とは正反対。


胸まである長くて綺麗な髪の毛は、いっつもポニーテールでまとめてる。


かわいいっていうよりは、綺麗っていう感じの顔立ち。


おまけに運動神経もいい。


そりゃモテるよね。




「落ち着いてご飯も食べれないしっ。食欲なくなるわー!」



とか言いながらも、がつがつご飯を食べ進める琴ちゃん。

言ってることと、やってることが矛盾してるよ。



「だから、教室で食べようって言ったのに。」




私はむすっと口を尖らせて言った。



「だってー。中庭で食べるとか青春って感じだしー。」



琴ちゃんも口を尖らせて言った。


ここの学校は中庭が綺麗だから、その気持ちもわからなくはない。



「じゃあ、我慢して食べようね!」



私は小さい子にでも言うように言った。



「はーい。。」



こんなやりとりを繰り返しながら、お昼を食べ終わらせた。


しばらく琴ちゃんとおしゃべりしてると、



「花咲さーん?」



と、先生に呼ばれた。




「はい?」





「今日の、美化委員の水やり担当花咲さんよね?」



やってしまった。。すっかり忘れてたよ。



「あああああ!すいません!今すぐやります!」



「次から気をつけてよー?」



「はい、すいません。。」



私がぺこぺこ謝っていると、琴ちゃんが



「ふふふ、陽茉莉って、どっか抜けてるよねー笑」


と言ってきた。


すかさず、



「そんなことないもん!」


と、言い返した。
みんなからよく言われるけど、そんなことないと思うのになー。



「琴ちゃんごめん!先に教室戻ってて!」



手を合わせて謝った。


「はいよー!頑張れ。」




こうして、琴ちゃんと別れた。