「はるーーー。早くしなさいよ。出発するわよー。」


『わかってるって。今行くから!』 


そう言って、私は勢いよく家のドアを閉めた。

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私の名前は 安藤はな。

4月から県外の進学校に入学することが決まった。

そう、つまり親元を離れて下宿生活をすることになったのだ。

男子が苦手な私にとって、女子寮は神の聖域。

高校だって、進学校なだけあってガリ勉メガネしかいないって聞くし…………。



『恋より勉強!よし!!頑張るぞ!!』



私は新生活に対する不安を押しのけるように威勢よく自分に喝をいれた。