私は、使い魔を作る気なんてなかった。
この世界には、魔獣がいる。
その魔獣を従わせて、使い魔にするのだが、
その際に魔獣の姿だと危ないから
あの呪文をつかい、ほかの体に移す。
そうすることによって使い魔ができるのだ。
だが、魔獣にも自由はある。
私たち人間の勝手な都合で自由を奪われ
閉じ込められる魔獣の気持ちを考えると
勝手に眉間にシワがよるほどだ。
そういう理由から使い魔を作るのはやめようと思っていたが。
前世の私なら大丈夫だろう。
窮屈にもならないだろうし。
なにより、使い魔となれば自分以外のほかの人には見えない。
喋り声も聞こえないのだ。
もっとも、それは術者が見えるようにする魔法を使えば話は別なのだが。
まさか自分に使い魔ができるとは。
それはたとえ自分であっても
話し相手ができるという事は
嬉しいことだった。
