「いい?ベル。魔法を使うにはまず、知っておかなければならないことがあるの。」

「それは何ですか?お姉様。」

「それはね。

魔法を怖がらないこと。
ちゃんと、魔法を愛してやることよ。」


「魔法を・・・愛すのですか?お姉様。」

そう。
魔法を使うには
魔法への愛が必要。

愛のこもってない魔法は凶暴的になり、
闇と化す。

「そうよ。ではまずはものを浮かす魔法を教えるわ。」

「はい、お姉様!」

「手の平を下にして手を突き出し、こう念じるの。」

「草よ。浮きなさい!」

ざあぁぁぁぁぁっ

中庭一帯の草が浮いた。

「わぁぁぁ!!すごいですわ!お姉様!」

「うふふ、ありがとう。ベル、やってみて。」

そして、くさよ、元の位置に戻りなさい。
と念じる。

草はすぐに地面に戻った。

「はい!

草よ。浮きなさい!」


ふわっふわっ、、。


草が一枚、浮いた。

と思ったらすぐに地面に戻っていった。

「・・・やはり、わたくしは才能がないのですわ。」


「そんなことはないわ。初めてで浮くなんで大したものよ。」

しょんぼりした妹を慰める。