放課後、私たちは音楽室の前にいた。


ここが吹部が練習してるとこかー。

「でも、楽器の音が聞こえないね」
「まー、とりあえず中に入ってみるか」


ガラガラガラ・・・


「え、誰もいない?」

ウソでしょ?こんなことってあるの?


「どうしようか」








トン。







え?


私の肩に誰かの手が置かれていた。

「咲木谷高校吹奏楽部へようこそ!」

そこには、部員の2、3年生がたくさんいた。


・・・ここでは『いらっしゃった』と言った方がいいのかな。



「もしかして、部活動見学に来てくれた子たち?」

「はい!そうです!」
ちひろが元気のいい声で言った。

「よし、じゃあ、中に入って入ってー」

面白そうな先輩たちだなー。

なかには怖そうな人もいるけど・・・








時間が経つにつれ、見学に来た1年生は増えてきた。


今日は実際に楽器を吹かせてもらった。

「鈴ちゃん、フルート上手だね」

「ありがとうございます!小学生の頃、吹奏楽部でフルート吹いてたので」

「そうなんだー、じゃあ、フルート決定だね」

「え、それでいいんですか!?」

「うん、入部がきまったら、みんなで楽器決めするから、その前までに部長に言っとくね」

「ありがとうございます!」

うれしいなー♪




私は他の木管楽器や金管楽器を試したが、音が出たのはあまりなかった(苦)。












「ありがとうございましたー!」

私たち5人は音楽室を後にした。


「ウチ、チューバの音が出たよ!」

「私はトランペットの音が出たもーん」

「音を出すのが難しいホルンの音がでるようになったよ、私だって!」


シュリとちひろ、アオイが何かしら言い合いをしていた。


レイカは、小、中と吹部をやってて、クラリネットを吹いている。

メチャクチャ上手だ。



「楽しみだね」

「うん」





自転車置き場の前で4人と別れて、私は自転車に乗って家に帰った。