自転車置き場に自転車を置く。

体育館へ行く途中、ガシャン!と大きの音がした。

びっくりして振り向く。

私の目線の先には自転車でコケたばかりの男子生徒がいた。

「大丈夫ですか!?」

思わず駆け寄っていた。

「膝から血がでてるよ!」

「大丈夫、このくらい」

ニカッと笑うその子はかっこよかった。

「ありがとな!お前1年だろ?」

「あ、はい」

え、先輩なの?

その人のネクタイの色は・・・赤だ。

なーんだ、同学年じゃん。

「オレ、早川琉磨!よろしく!」

手を差し出された。

え?握手?

私も恐る恐る手を出す。

「水口鈴です、よろしくお願いします」

「よろしく!ていうか、タメでいいのに。同じ学年じゃん」

「・・・ありがと」


え、ちょいまち。

マジでカッコイイんだけど!

倒れちゃいそう・・・

「じゃあ、体育館行こうぜ!」

「そ、そうだね」

忘れてたぁぁぁ!!
今日は入学式だった!







入学式での校長の話は全然耳に入ってこなかった。
式のときずっと琉磨くんを見てたから。
でも、恋するほどの気持ちではないなー。
ただカッコイイと思っただけ。
さー、女子の友達を作るか。