失った記憶の向こう

ガチャ

「とりあえず横になっててください！救急箱取ってきますから！」
そう言い、ベットに男を残し、救急箱を探しに行こうとしたら
パシッ。
「まてよ。」
急に腕をつかまれ、バランスを崩し男の方へ倒れ込む。
整った顔が近くにあり、顔が赤くなるのがわかった。
「おまえこんなことで、赤くなるんだ」
急いで体を突き放した。
ちょっとバカにしたような言い方だけど、かっこよすぎて、そんなことでも心拍数が上がった。
「な、悪いですか？」
「いーや、別に。それより俺さっきも行ったけど人間じゃねーんだって。人間と同じ手当で治るわけねぇだろ。」
「あのぅ、それさっきも聞きましたけど、人間じゃなかったら、なんですか？」
「知りたいか？」
「う、ん」
「じゃあとりあえず治療してから、教えてやるよ」
「はい、わかりました。でも、どーすれば治るんですか？？」
「んー、こうしたら」
そう言って顔を近づけてきたので、焦って避けた。