失った記憶の向こう

ぼーっとしていると、彼がこちらにきて
「俺ここに住むわ」
「……。」
「おい、聞いてんのか?」
「え、ちょっと待って下さい。もう一回言ってくれませんか?」
「だーかーらー。今日から、俺もここに住むって言ってんだって!」
「えぇーーーーー!!ふにぁあ……」
勢いよく飛び起きたけど、貧血気味ですぐにベットに倒れ込んでしまった。
「なぁ、いいだろう?」
彼は、また甘い声で言ってきた。
しかも、床?ベットドン?という、おまけ付き。
「ほんとにご、ごめんなさい。無理です……」
「もう一1回言え?聞こえなかった!」
彼がもう鼻先が触れそうなところまで近付いてきた。
もう心臓がもたないよぉ〜。
「わ、わかりましたから!住んでいいので離れてください!」