失った記憶の向こう

side ???

くそっ!あの野郎!
俺は、腹に攻撃をまともにくらって、動けずにいた。
意識も朦朧としていると、「あの〜、大丈夫ですか?」という女の声が聞こえた。
お、丁度いい回復できる人間だ!ラッキー!
うまく言って治してもらおう……
「腹……痛い」というと勢いありすぎるんだろってくらい、大きな声で心配してるし。
なんかその後の反応もいちいちおもしれぇし。
俺が「治してくれくれよ?」って言ったら、また顔が赤くなってた。
ほんと、おもしれーやつ。
そして、こいつの髪をかき分け、首に唇を落とした。
ジュルジュル……
やべぇ、こいつの血すげぇ甘いんだけど。
血に酔いそうだ。こんな血初めて飲んだ。
だんだん、こいつの力が抜けてきたので、そこで俺は吸うのをやめた。
てゆーかほんとに血もらえちゃったし。
ある意味バカだな、こいつ。
俺のいってること信じてるみたいだし。
少しは警戒しろよな…