***真梨子side***

「ふう...」

ポチャン、と音を立てて水面が波打つ。

温かい湯が、疲れた私の身体を暖めてくれた。

「今日はほんと、色々なことがあった1日だった...でもとりあえず、百人一首をやめることにならなくて良かった」


真梨子はぽつり、と呟いた。

本当は真梨子も、百人一首部をやめるのは嫌だったのだ。

すると、お風呂のドアがコンコンと叩かれた。

「...誰?」
「亜弥だよ」
「何?」
「マリちゃんがお風呂を出て、あたしもお風呂に入ったら、かるたやらない?」

亜弥のその言葉に、真梨子はピクリと反応した。

「うんっ、やろやろ!?」
「おおっ!?いやに乗り気だね、マリちゃん」

大会が終わっても百人一首をやり続けることが出来る...そのことに真梨子は、強く感嘆し、喜んだのだった。