花魁〜撫子達の葛藤〜

「始めます。」

まだあどけなさが残った読手の声に、みんながピンと姿勢を正した。

「なにわづに___さくやこのはな__ふゆごもり___いまをはるべとさくやこのはな」

さぁ、決勝戦が、幕を開ける。

「いまをはるべとさくやこのはな___」

すぅっ、と、読手が息を吸う。

「___なげけとて」

((よしっ、抜いた!))

亜矢と真梨子、1枚目から抜いた。

送り札は、亜矢はやまが。

真梨子はむ。
2人の得意札だ。

(見てろよ、これから地獄を見せてやる)

ちっ、と舌打ちしたあと、麗子はそう呟いた。

(ふふ。1枚取ったくらいで調子乗っちゃって...マジウケるんですけど)

真希は、ププ、とほくそ笑んでいた。

「かこちがおなる___わがなみだかな」

腰をあげ、手を立てる。

「___ゆうされば」

((はい取ったーザマァ(゜д゜)))

取ったのは二人とも...真希と麗子。

それからも試合は続き、麗子の自陣は2枚、亜矢の自陣は12枚。真希の自陣は1枚、真梨子の自陣は15枚。

そして。

「はなさそう___」

真梨子は敵陣が出てキープされ、亜矢はダブ。

「「ありがとうございました...」」