「明日の参観日ですが、お母さんやお父さんに感謝の手紙を書いてもらいます」




先生はそう言うと、原稿用紙を皆に4枚ずつ配った。




「えーーーー!めんどくせーーー!」




「恥ずかしいよーーー」




「何書けばいいの?」




など、クラスの皆がザワザワ騒ぎだした。





もちろん私は手紙を書く事に大反対。




お母さんへの感謝の気持ちと言えばお小遣いを毎月くれることぐらいだ。





中学生のころテストの順位が1桁じゃないと1時間くらい怒られてたし、勝手に人のスマホみて友達からのメールを勝手に返信したり...と、





お母さんとのいい思い出がない。





そんな私が手紙なんて書ける訳ない。






どうしよう...。






そう思っていると




「斎藤、父さんと母さんどっちに書く?」





と、隣の席の村上 悠哉(むらかみ ゆうや)が私に話しかけてきた。