彼は私の腕を強く掴んでいた。生きてる。生きてるの。
必死な赤い顔が月明かりで照らされていた。
彼の姿はまるで太陽だった。希望の光だった。月の光は太陽の光。
彼が「間に合って良かった。」と笑ったとき私はきっと落ちたんだ。
恋に落ちたんだろうな。助かったのに、変だよね。
それから彼は私の手を強く握りしめていた。正直ちょっと痛かったな…