僕の名前は、涼乃風介。この春から高校生活が始まる。
入学式。僕は自分のクラスを探した。すると、
「おーい、風。同じクラスだな。」
と中学一緒だった朝日田光が話しかけた。彼は、自分で言うのもなんだが唯一の親友と呼べる者だ。
嬉しかったが、面には出さなかった。
「おいおい、ひでーよ風。悲しーよ。」
と彼は冗談ぽく言った。
クラスに入り自分の席に着いた。隣の人ぐらい挨拶しておこうと思った風介は、左を向いた。そして、
「はじめまして、風介です。」
隣は女の子だった。彼女が
「はじめまして、水森美海です。」
「なんか、くらいね」
と間違って僕は言ってしまった。そこから彼女は席を立ち廊下に出た。
「やってしまった。」
第一印象はおとなしい感じで、顔立ちが整ってる子だった。話は途切れてしまった。
その日の帰り家向かっている時、急に目の前が眩しくなり人が現れた。
「涼乃風介さん、おめでとうございます。あなたは今から実験対象になってもらいます。」
急に現れた男は、穏やかそうに言った。急な出来事に戸惑いを隠せない風介は、腰を抜かした。
「あー、あー、ごめんなさい驚かして。」
と言われたので、
「何なんです?」
と聞いた。
「あなたには今から、この薬を飲んでもらいます。この薬は、過去に戻ることができるようになる薬です。」
「過去に戻る?」
「はい、そうです。」
「どうやって?」
質問し続けた。
「自分が戻りたいという強い心があれば戻れますよ。」
「嘘つけ」
この時僕は人間不信になりそうだった。
「じゃあ、今やってみてくださいよ。念のため私の携帯番号教えときますね。」
「本当にできるのか?」
「はい、では戻ってみてください。」
「おいおい、別に戻りたいって思ってないぞ」
「嘘つかないでくださいよ。水森美海さんともっと話したかったんでは?」
僕はど肝を抜かれた。
「なんでそれを?」
「何だって知ってますよ。ではお願いします!」
「わ、わかった。」
彼女ともっと話したいこと。申し訳ないことをした。はやく謝りたい。あ!そうだ僕は謝らないと!次の瞬間僕の目には朝見た風景が写っていた。