一瞬にして、私と秋山君は走っていた。 さっきまで、歩斗君と繋いでいた手をとって。 「あの、秋山君?!」 話し掛けても、止まらない。どんどん人が少なくなってく。 君の表情は分からない。 ねえ、何を思ってるの。 何を思って、私の手をとってるの。 そのまま、私達は人気の少ない境内まで来ていた。 ようやく、止まる。 何が、どうなってるんだろう。 肩で息をしながら、秋山君を見上げる。 と、 君は、熱っぽい目で私を見ていた。