愛してるのは、君と秋。

だから必然的に私と桜ちゃんだけになるわけで。

女の子二人っきりってどんな会話するんだろう。

分からない。


女の子と二人きりは初めて。
あれ、桜ちゃんと二人、今考えれば初めてなんだ。

図書室のいつもの席で二人で話ながら時間を過ごす。

他愛もない会話をしてたけど、
それがふっときれて、静寂が顔を現す。

「ねえ、加那ちゃん?」

いつもより、落ち着いた声で私を呼ぶ。
こんな声を聞いたのは初めてだった。

「何?桜ちゃん。」

だから私も、いつもよりトーンを低くして返事をしてしまう。

「加那ちゃんって、響のこと、好き?」
「え?!」

びっくりした.......。

何で、桜ちゃんそのこと、知ってるの?

「何で、それ.......。」
「分かるよ?見てれば。
いっつも顔に感情表さないのに、響と一緒にいると、目に見えて柔らかくなる。」

そんな、顔に出たんだ。

ていうか、桜ちゃん鋭いなぁー。