次の日から、俺は図書室に行かなくなった。

でも、これでいいんだ。
葉山さんだって、俺が居なくなったところで何も思わないだろう。

そういえば俺、葉崎さんにクラス教えてなかったな。
よかった。

そう思った真実の心に、俺はわざと気付かずにいた。
気付かずに、心の奥にまで鍵をかけて、閉じ込めた。
その事にすら、気づかぬふりをして。






季節は冬になった。