6月。 徐々に暑さが増す頃。
黒と茶色で纏まっている殺風景なこの部屋に、眩しい朝日が容赦なく差し込んだ。
部屋には、1人の男が頬杖をつきながらお古なネジ巻き式時計を睨みつけていた。
この雰囲気だと幼い子供が来て、『遊んで!』って言われても、遊ぶどころか“大きな古時計”さえも歌ってはくれないだろう。
……………カチ、カチ、カチ……………
?「……………………」
……………カチ、カチ、カチ……………
?「…静かだと時計の音ってうるせーんだな」
……………カチ、カチ、カチ……………
?「…………………壊すか」
椅子から静かに立った、と同時に