ゼロ校 RUSH

私はお母さんをゆっくり椅子に座らせた。


緑「お母さん大丈夫ですか?
自分の名前、わかります?」


音「だ、だいじょーぶ。そこまで、ひどく、ないから。
それより…………どうして……いいの?」


緑「え?」


音「………転校の話」


お母さんの問いに、お父さんも同意のようだった。


緑「どうしてと言われましても、断る理由がないからとしか言い様のないです」


笑顔で応えた私を見て、2人は何故か泣き出してしまった。


音「眩しすぎるわ!眩しすぎて泣けてくるじゃない!
もうなんて健気な子なの!」


秋「緑、俺は改めて魅せられたぞ!
透き通ったお前のその純粋な心を!」


そして次ぎに、2人は私をぎゅうっと強く抱きしめた。


………抱きしめられて嬉しいですが、泣く事と抱きしめられる事に関しての意図が私には全く分かりません。


その時、私達が話をしている最中、静かに料理を食べていたおばちゃんが口を開いた。


汐「騒々しいわよ、話が終わったなら早く食べなさい。
それとも、もう食べ終わったの?」


そう聞いて、お母さんとお父さんは慌てて椅子に座り直した。

私も急いで椅子に座って、再び料理を口に運んだ。