ゼロ校 RUSH

秋「……………はぁ。あのな、音羽」


お父さんはため息をついて話し出した。


秋「いいか、お前が言ってるのは“天候”。
俺が言ってるのは“転校”だ!
分かったか?他の学校に通うことになるって意味の、“転校”だ!」


『転校』を強く強調してお父さんは伝えた。


お母さんは二、三度頷いて、机をバンッ!!と叩いた。


音「そんなの許せるわけないでしょ!!」



秋・汐・緑「…………………………………………」


音「だからなんで黙るのよ!?」



お母さんは口を膨らませて怒った。

私は気付かれないよう、声に出さずに笑う。
口を膨らませて怒るのは、ずっと変わらないお母さんの癖。

その後は直ぐに、笑うのを抑える事が出来た。


秋「いや、そう言うだろうとは思ったけど、タイミングがズレすぎてんだよ。
あの時怒ってほしかったわ。
今更言われてもな……」


音「………あの時って?」


秋「マジかよ……」


首を傾げるお母さんに、お父さんは頭を抱えた。