ゼロ校 RUSH

………うーん。…………困りました。
このままお母さんとおばあちゃんのやり取りが長引くと料理が冷めてしまいます。

やはり、ここで私が行かなくては。


2人の仲裁に入ろうとすると、私のすぐ横を誰かが通って2人を止めた。


?「出迎えがないと思ったら………音羽、お前また汐李さんを怒らせたのか」

〔柚木崎 秋―Yukizaki Aki―〕
(緑の父・職業:医師)


秋「ただいま帰りました、汐李さん」


汐「あら、秋さん。お帰りなさい」


音「………う、うぅーー。あーきーくーん!!」


秋「わっ、ちょっバカ!急に抱きつくな!
そして泣くな!」


お母さんは幼い子供のようにお父さんにしがみついて離れようとしない。


汐「音羽!まだ話は………!」


秋「…汐李さん、音羽は俺が後で言っとくんで、話はこの辺で終わらせて夕食にしましょう。俺腹ペコで」


汐「……………秋さんが言ってくれるなら……それでいいわ」


音「わーいわーい!!」


先ほどまで悲しげな顔をしていた母は何処へ行ったのか。
今はとても嬉しそう。


汐「さっそく晩ご飯にして………あ、言い忘れてたわ。
音羽、おかえりなさい」


音「……………お母さん………ってほんと遅すぎでしょ!」