それとは対象的に真理は、従容として二人が歩いている様を見ていた。
瑠依の顔が絶望し、泣きそうになっているその後ろで、優介は陰りを帯びたように考え込んだ表情で困惑していた。
どちらも宙ぶらりんとしたゴンドラの中で、恐怖を感じていたように見える。
まるで一緒に乗ったことを後悔するように、二人の間の距離がどんどん開いてよそよそしくなっていた。
その様子に真理は違和感を持った。
瑠依は自分の友達を見つけた途端、優介のことなど気にもせずに、走り寄って友達の胸に飛び込んで肩を震わしていた。
それを慰めるのに、何人かが瑠依を囲んで労わっている。
そこで交わされている会話は聞こえなかったが、観覧車が止まったことで怖かった事を話しているのだろう。
その様子を遠目に優介はバツが悪そうな顔を向け、その後は踵を返して、一人違う方向へポツポツと歩いていった。
陽気で明るい優介の背中が丸くなって元気がない。
それを見ると、真理はいたたまれなくなった。
「紫絵里、松永君の所へ行こう」
一人で歩いている時がチャンスとばかりに、真理は大胆になって紫絵里を煽る。
紫絵里はそれどころじゃなく、瑠依のいる方向を見つめ、先を越されてしまった事に信じられない気持ちを抱いていた。
放心状態のまま、意識が飛んでしまい、真理の声が聞こえなかった。
「それじゃ私だけでも行くからね」
紫絵里を放っておき、真理は優介を追いかけた。
瑠依の顔が絶望し、泣きそうになっているその後ろで、優介は陰りを帯びたように考え込んだ表情で困惑していた。
どちらも宙ぶらりんとしたゴンドラの中で、恐怖を感じていたように見える。
まるで一緒に乗ったことを後悔するように、二人の間の距離がどんどん開いてよそよそしくなっていた。
その様子に真理は違和感を持った。
瑠依は自分の友達を見つけた途端、優介のことなど気にもせずに、走り寄って友達の胸に飛び込んで肩を震わしていた。
それを慰めるのに、何人かが瑠依を囲んで労わっている。
そこで交わされている会話は聞こえなかったが、観覧車が止まったことで怖かった事を話しているのだろう。
その様子を遠目に優介はバツが悪そうな顔を向け、その後は踵を返して、一人違う方向へポツポツと歩いていった。
陽気で明るい優介の背中が丸くなって元気がない。
それを見ると、真理はいたたまれなくなった。
「紫絵里、松永君の所へ行こう」
一人で歩いている時がチャンスとばかりに、真理は大胆になって紫絵里を煽る。
紫絵里はそれどころじゃなく、瑠依のいる方向を見つめ、先を越されてしまった事に信じられない気持ちを抱いていた。
放心状態のまま、意識が飛んでしまい、真理の声が聞こえなかった。
「それじゃ私だけでも行くからね」
紫絵里を放っておき、真理は優介を追いかけた。



