「ううん、いい。想像するだけで、なんか怖くなる。もし乗りたかったら、紫絵里行ってきていいよ」
「そんな、一人で乗っても楽しくないでしょうに。こういうのは……」
紫絵里がそこまで言ったとき、言葉が途切れた。
その後に、好きな人と一緒に、と続けようとしてたことに、優介と乗りたいという気持ちになってしまい、観覧車の怖さと優介を思う気持ちでドキドキとしていた。
真理は何事もなかったように聞き流して、上を見続けていた。
その時、観覧車の降り口で、急に慌ただしい雰囲気が漂い、騒然としだした。
スタッフが、大慌てに何かを叫び、そこに救急車という言葉も飛び交っていた。
観覧車は緊急停車し、皆不安になる中、腕をだらりと垂らしてスタッフに抱えられて運び出される人の姿が見えた。
その姿は意識がなく、明らかに生命の危機を感じさせる切羽詰まった状態だった。
紫絵里は突然の事に狼狽え、ただ茫然と立ち竦んでいた。
その傍で、真理は無表情のまま上空を見上げ、そして悲しげにか細い溜息を静かに吐いた。
「そんな、一人で乗っても楽しくないでしょうに。こういうのは……」
紫絵里がそこまで言ったとき、言葉が途切れた。
その後に、好きな人と一緒に、と続けようとしてたことに、優介と乗りたいという気持ちになってしまい、観覧車の怖さと優介を思う気持ちでドキドキとしていた。
真理は何事もなかったように聞き流して、上を見続けていた。
その時、観覧車の降り口で、急に慌ただしい雰囲気が漂い、騒然としだした。
スタッフが、大慌てに何かを叫び、そこに救急車という言葉も飛び交っていた。
観覧車は緊急停車し、皆不安になる中、腕をだらりと垂らしてスタッフに抱えられて運び出される人の姿が見えた。
その姿は意識がなく、明らかに生命の危機を感じさせる切羽詰まった状態だった。
紫絵里は突然の事に狼狽え、ただ茫然と立ち竦んでいた。
その傍で、真理は無表情のまま上空を見上げ、そして悲しげにか細い溜息を静かに吐いた。



