「ほんとだ、近くで見ると迫力ある乗り物だ」
紫絵里はメガネのブリッジを抑え、見上げていた。
「地味に動きながら一周回るだけなのに、乗れば結構怖いと思う。もし上にいる時に、止まったりしたら、恐怖だろうね」
真理の口元はどこか上向き、微笑んでいる。
冗談なのだろうが、紫絵里はぞっとするような気持ちになった。
それは巨大な観覧車が故障する恐怖なのだろうか、それとも真理が事故を望んでるように思えたからなのか、なんだかわからなかった。
視点を変えてみれば、普段感じない事が違って見えてくる感覚に、些細な不安を紫絵里は感じるようになっていた。
ぞわぞわとする不快さと、自分の見解が覆される煩わしさと、そして自分のやりたいことを遮られる苛立ち。
明らかに落ち着かず、上手く感情を表現できないままに、心の中で靄がかかる、そういう気持ち悪さがあった。
晴れでもなく、雨でもなく、灰色の雲に包まれたどんよりとした空の下にいると、特に息苦しくなっていった。
真理は、観覧車をしつこく眺めていた。
「そんなに観覧車が気になるんだったら、乗る?」
紫絵里は誘ってみた。
紫絵里はメガネのブリッジを抑え、見上げていた。
「地味に動きながら一周回るだけなのに、乗れば結構怖いと思う。もし上にいる時に、止まったりしたら、恐怖だろうね」
真理の口元はどこか上向き、微笑んでいる。
冗談なのだろうが、紫絵里はぞっとするような気持ちになった。
それは巨大な観覧車が故障する恐怖なのだろうか、それとも真理が事故を望んでるように思えたからなのか、なんだかわからなかった。
視点を変えてみれば、普段感じない事が違って見えてくる感覚に、些細な不安を紫絵里は感じるようになっていた。
ぞわぞわとする不快さと、自分の見解が覆される煩わしさと、そして自分のやりたいことを遮られる苛立ち。
明らかに落ち着かず、上手く感情を表現できないままに、心の中で靄がかかる、そういう気持ち悪さがあった。
晴れでもなく、雨でもなく、灰色の雲に包まれたどんよりとした空の下にいると、特に息苦しくなっていった。
真理は、観覧車をしつこく眺めていた。
「そんなに観覧車が気になるんだったら、乗る?」
紫絵里は誘ってみた。



