ハッシュハッシュ・イレイザー

「どこへ行く?」

 真理が尋ねると紫絵里は、その先に居た優介の後姿を目で追っていた。

「ついていく?」

 そうしたいのだろうと思って真理が口に出すと、紫絵里ははっとして、持っていたリーフレットを慌てて広げだした。

「先に水族館に行こうか。これが遠足のメインで、チケット貰ったし」

「そうだね」

 紫絵里のように思っている生徒は多く、二人が水族館の前に来た時、先に見学を済ませたい生徒の列がすでに出てきていた。

 列に加わり、二人はノロノロと入口に進んでいく。

 紫絵里は時々後ろを振り返って、列に並んで来る人を見ていた。

 真理が回転バーを押して中に入ってる間も、紫絵里は後ろを振り返る、

 ちょうどその時、最後尾に優介がやってきたのを見て、紫絵里の顔が綻びた。

 暫しそれに気を取られていると、すでに入場ゲートを通り終わっていた真理の声が前から聞こえた。

「紫絵里、何してるの?」 

 紫絵里はハッとして前を振り向き、真理を見た。

「あっ、真理、待って」

 ぼーっとしていた紫絵里は、慌ててチケットを受け付けの人に差出すと、その女性は不思議な顔をして、紫絵里を見つめた。