ハッシュハッシュ・イレイザー

 それを待っていたように紫絵里は自分の席に向かう。その後、暫くして優介も席に着く。

 真理はまた一番後ろの席から、二人の様子を窺い、その行く末を見守る。

 紫絵里に邪魔をするなと釘を刺されたが、実際、真理も優介が気になっている。

 唯一、真理を気にかけてくれる優しい男の子。

 前回の辛い恋を経験してから、暫く恋はしないと思っていたのに、時経てば傷は癒され、その間に知らずと優介は真理の心に入り込んでしまった。

 そして、優介は前回好きになった男の子と雰囲気がとても似ている。

 あの時好きになった人と優介がオーバーラップする。

 真理が好きになるタイプは全てに共通点があり、そこに導かれてしまう同じようなプロセスが出てくる。

 必ず三角関係から始まり、そして自分の想いは決して成就する事がないままに、涙を流して終わってしまう。

 大切な人をどうしても裏切れない。

 今回もきっと同じような結果になるとわかっているのに、真理は紫絵里と楽しそうに話している優介の横顔を、寂しく見ていた。