「メガネをはずしたらさ、松永君が、不思議そうに私を見たの。『メガネを取ると雰囲気変わるんだね。メガネかけてない方が瀬良はいいかも』って言ってくれたんだ」
メガネを取った紫絵里は、はっきりと目が見える分、より一層童顔だとよくわかる。
それがかわいいかと言えば、そこは人の好みによるから、一概では決めつけられないものがあった。
それに優介はあくまでもメガネのあるなしで、どちらがいいかと言っただけであり、かわいいとは言っていない。
しかし、紫絵里には褒め言葉に聞こえ、自分に興味を持ったのではという期待に膨らんでいる。
願い事が叶うと思い込んでいる石をギュッと手で握り、紫絵里は思いを強く心に描いている様子に見えた。
「真理、私の事、こうやって傍についてこれからも応援してね」
「ええ」
真理にはその返事しか選択はなかった。
再びメガネを掛け、紫絵里は満足したように微笑む。
「そろそろ帰ろうか」
鞄に石を入れてから肩にかけ、教室の戸口に向かった。
黒板に描かれたハートの落書きを見つめながら、真理も後からついていった。
どこか胸がずっきんと痛んで、無意識に胸を押さえていた。
メガネを取った紫絵里は、はっきりと目が見える分、より一層童顔だとよくわかる。
それがかわいいかと言えば、そこは人の好みによるから、一概では決めつけられないものがあった。
それに優介はあくまでもメガネのあるなしで、どちらがいいかと言っただけであり、かわいいとは言っていない。
しかし、紫絵里には褒め言葉に聞こえ、自分に興味を持ったのではという期待に膨らんでいる。
願い事が叶うと思い込んでいる石をギュッと手で握り、紫絵里は思いを強く心に描いている様子に見えた。
「真理、私の事、こうやって傍についてこれからも応援してね」
「ええ」
真理にはその返事しか選択はなかった。
再びメガネを掛け、紫絵里は満足したように微笑む。
「そろそろ帰ろうか」
鞄に石を入れてから肩にかけ、教室の戸口に向かった。
黒板に描かれたハートの落書きを見つめながら、真理も後からついていった。
どこか胸がずっきんと痛んで、無意識に胸を押さえていた。



