ハッシュハッシュ・イレイザー

 席替えが済んだその放課後、皆それぞれ、教室を後にしていく。

 紫絵里はクラスの女子数人から声を掛けられ、教室に居残るように言われた。

 無視することもできたが、変に自信がついてしまった紫絵里は、言われるままに静かにして、自分の席に座っていた。

 真理は状況をすぐに呑み込み、紫絵里に近づき、正面から不安な表情を向けた。

 紫絵里は顔を上げ、微笑み返した。

「どうしたの、泣きそうな顔をして」

「だって……」

 真理はその後の言葉をどう続けていいかわからない。

「大丈夫だって。何も心配することないわ」

「私も傍にいていい?」

「そんなの、いいよ。一人で大丈夫だから」

「でも」

 自分が一緒にいても何も助けにならないことは分かっていたが、真理は紫絵里を放っておいて去ることもできなかった。