5
鮎川華純が去ってしまった後も紫絵里は暫し放心状態となって、何を考えていいのか困惑していた。
「変わったわね、華純も」
また静かになったことをいいことに、私はしてやられたと、つい吹き出してしまった。
「ちょっと、どういうこと?」
「何が?」
「何がって、鮎川先生も過去に巻き込んだの?」
「そういう事になるわね」
「何よそれ、まるで他人事みたいに言って、あなた自身の話じゃないの」
「私は誰の味方でもなく、全く関係のない存在。その物語をただ語るだけの、傍観者」
「どうしてそんなに割り切れるの。顔は全く同じで、真理とマリアでもあるのに、自分自身の味方でもないの?」
「そうよ、私は存在してるけど、存在してないのと同じなの。マリアとハイドの恋物語の語り手となり見てるだけ。客観的に見つめられる者がやっぱり必要でしょ。正確に真実を伝え、本当に起こったことを知ってもらわないと、巻き込まれた人ですらどこまでも好き好きに憶測して話がおかしな方向へいっちゃうもの。一番真実を知らなきゃいけない人に伝えるために、私は存在している」
鮎川華純が去ってしまった後も紫絵里は暫し放心状態となって、何を考えていいのか困惑していた。
「変わったわね、華純も」
また静かになったことをいいことに、私はしてやられたと、つい吹き出してしまった。
「ちょっと、どういうこと?」
「何が?」
「何がって、鮎川先生も過去に巻き込んだの?」
「そういう事になるわね」
「何よそれ、まるで他人事みたいに言って、あなた自身の話じゃないの」
「私は誰の味方でもなく、全く関係のない存在。その物語をただ語るだけの、傍観者」
「どうしてそんなに割り切れるの。顔は全く同じで、真理とマリアでもあるのに、自分自身の味方でもないの?」
「そうよ、私は存在してるけど、存在してないのと同じなの。マリアとハイドの恋物語の語り手となり見てるだけ。客観的に見つめられる者がやっぱり必要でしょ。正確に真実を伝え、本当に起こったことを知ってもらわないと、巻き込まれた人ですらどこまでも好き好きに憶測して話がおかしな方向へいっちゃうもの。一番真実を知らなきゃいけない人に伝えるために、私は存在している」



