「さてと、私はこの辺で帰るわね。瀬良さん、辛かっただろうけど、それは必ず貴方にはプラスになるわ。だって、私がそうだったから。まだ今は利用されて腹が立ってると思うけど、よく考えてみて。あなたは完璧に真理と付き合えた? そこにやましい気持ちは一度もなかったって言い切れる? あなたが恋に落ちた時、あなたは真理に何をしたの?」
「私……」
「無理して答えなくていいのよ。よくゆっくり思い出してみて。そしたら自分がどう思うべきかって導かれるから。私は真理と親友になれて本当によかった。今は会えないのが寂しいけど。でもずっと忘れないわ。真理は私に大切なものを気づかせてくれたから」
華純はドアに手をかけ去ろうとした時、思い出したように振り返った。
「そうだ、蒲生君だけど、瀬良さんの事心配してたわよ。瀬良さんが松永君の隣の席だった時、かなりヤキモキしてたみたい。蒲生君は今はちょっとふくよかだけど、痩せて髪型を工夫したら、かなりのイケメンになるわよ。隠れた優良物件ね。そして何より性格も大らかで優しいわ。ちゃんと見てあげてね」
紫絵里は圧倒されて、ぽかーんと口を開けたまま何も言えなかった。
蒲生といえば、一番最初の席替えで紫絵里の隣の席になった男の子だった。
気さくに喋っていたけども、まさか自分が好意を持たれていたとは、考えた事もなかった様子だった。
鮎川華純は言いたい事を言うと、肩の荷が下りたように晴れ晴れとした顔つきになっていた。
そして私が立っている隅を一度見てから部屋を出て行った。
爽やかな風が、すーっと通り抜けたように、冷え切っていた病室は高原のような涼しさに包まれているようだった。
「私……」
「無理して答えなくていいのよ。よくゆっくり思い出してみて。そしたら自分がどう思うべきかって導かれるから。私は真理と親友になれて本当によかった。今は会えないのが寂しいけど。でもずっと忘れないわ。真理は私に大切なものを気づかせてくれたから」
華純はドアに手をかけ去ろうとした時、思い出したように振り返った。
「そうだ、蒲生君だけど、瀬良さんの事心配してたわよ。瀬良さんが松永君の隣の席だった時、かなりヤキモキしてたみたい。蒲生君は今はちょっとふくよかだけど、痩せて髪型を工夫したら、かなりのイケメンになるわよ。隠れた優良物件ね。そして何より性格も大らかで優しいわ。ちゃんと見てあげてね」
紫絵里は圧倒されて、ぽかーんと口を開けたまま何も言えなかった。
蒲生といえば、一番最初の席替えで紫絵里の隣の席になった男の子だった。
気さくに喋っていたけども、まさか自分が好意を持たれていたとは、考えた事もなかった様子だった。
鮎川華純は言いたい事を言うと、肩の荷が下りたように晴れ晴れとした顔つきになっていた。
そして私が立っている隅を一度見てから部屋を出て行った。
爽やかな風が、すーっと通り抜けたように、冷え切っていた病室は高原のような涼しさに包まれているようだった。



