ハッシュハッシュ・イレイザー

「その時に好きになった人が、ほんと松永君と雰囲気が良く似た人だったわ。そして、真理という名前の女の子もいたのよ」

「えっ!?」

「もうすっかり過去の話ね。思い出せば懐かしいとすら思える。そして真理に会いたいわ。ねぇ、真理は今ここにいるの?」

「先生、それって」

「やっぱりそうだったのね。松永君と瀬良さんが倒れていて、その傍で白いバラがあって、あまりにも自分の時と似ていたから、まさかと思ったけど、やはりマリアとハイドの恋物語が続いてるのね」

 紫絵里は驚きすぎて、声が喉の奥で詰まって喘いでいた。

 そして、華純が持ってきた白いバラの花束を紫絵里は見つめた。

 華純は全ての事を知っている。

 それが意味することは──

「真理、マリア、そしてもう一人のななしさん。私はもう見えないけど、あなた達がまだ存在していて嬉しいわ。思う存分恋してね」

「先生!」

 やっとの思いで紫絵里の声が出た時、華純は席を立ちあがった。