ハッシュハッシュ・イレイザー

「何、その身勝手な行動。自分たちのためだけに人を利用して!」

「わかってるわ。だから最後はあなたに判断してほしいの。これが正しいのか、間違ってるのか。あなたが許せなければ、二人はもう会うことはない。そして、ハイドは消える事を選び、ハイドが消える時、ハイドの命の半分を手にしているマリアも自動的に消滅する。二人は生まれ変わることも許されないままに、魂はゴミのように破棄される。二人の愛はそこで終止符を打つわ」

「それで、マリアが消えたら、真理とあなたも消えるってこと?」

「もちろんよ。私たちは一つの命を三人で共有しているだけの都合のいい存在。特に私の使命はあなたのように犠牲になってしまった人に全てを説明する事なの。一つの物語としてね」

「なぜ、私だったの? どうして私が巻き込まれてしまったの?」

「それは、この物語にはあなたがどうしても必要だったから。あなたの貪欲さがあの月の光の石に力を与え、あなたの身勝手さが、真理に恋の本質を気づかせた。三角関係になることで、真理に刺激を与えて、行動させるの。真理はあなたが居ないと恋もできなかったって訳。あなたじゃないと成し遂げられなかったわ。そして、真理はあなたと波長があった」

「あの石を私に渡したのはあなたね。道理であの時、真理と話が噛み合わなかった訳だわ。それにしても卑怯よ!」

「どう思おうと、それはあなたの自由。あなたが許せなければ、私達は消えて罪を償うわ」

 紫絵里は心のどこかで葛藤しているのか、何かを思いつめるように黙り込んだ。

 私は、この時も静かに傍観していた。

 ただ紫絵里がどのように決断するのか、この瞬間は少しだけ楽しみだった。