ハッシュハッシュ・イレイザー

 真理が代わりに恋をして、そしてその真理に恋した相手の魂を奪った時、一時的にマリアはハイドに近づける事ができた。

 それはほんの一瞬のことでも、二人にはかけがえのない心を通わせられる瞬間。

 だから真理という代わりをこの世に放ち、マリアはじっと身を顰める。

 真理に恋する相手も、予めふさわしい人をハイドは見つけて、この策略に手助けする。

 すでに死期が確定している者限定。

 ハイドは命の残り少ない者達から早めに魂を掻き集め、死期が迫っている、これから真理と恋しようとする相手に分け与える。

 その時、新たな命の移植と同時に、真理の好みの男となるように性格も作り変える。

 すでに運命が定められた者を期間限定で新たに生まれ変わるように仕向けるのだ。

 それは捧げもののように、または生贄のように──

 私がここまで紫絵里に説明した時、紫絵里はその理不尽な行動に腹を立てている様子だった。

 我慢できなかったのか、全てを話し終わる前に遮った。