ハッシュハッシュ・イレイザー

 紫絵里は再び、道に広がって歩いている瑠依たちのグループを突き切る。

「何、あれ、わざとかしら」

 同じクラスの女子達からは呆れられていた。

 紫絵里は学校帰りの生徒の流れに逆らうように、ぶつかりそうになりながらも走って行った。

 瑠依が不思議に思っていると、ふと木陰で立っていたマリアと目が合い、驚いた。

 気にしないようにしてすれ違おうとした時、マリアは瑠依に囁いた。

「紫絵里の後を追った方がいいわよ。あなたなら理解できるかも」

「えっ?」

 瑠依が振り返った時、すでにマリアは、白いドレスの裾を揺らしながら、人ごみの中に紛れていた。

 その姿はあっという間に瑠依の視界から消えた。

 太陽は真上でギラギラと、容赦なく照りつける。

 瑠依はじっとりとする汗を体に感じ、肌の上を何かが這う感覚に身震いした。