ハッシュハッシュ・イレイザー

 真理が目の前から消えると、紫絵里はほっとした。

 仲のいい友達が邪魔ものに思えるほど、自分は追い詰められている。

 もし、優介と真理がくっついてしまった時、自分はどうなってしまうのか。

 それを考えるだけで、紫絵里は今にも泣きだしてしまいそうに、絶望に襲われてしまった。

 それと同時に、許せなくなるほどに真理に憎しみも抱いてしまう。

 まだ不確かな段階でも、すでに狂気じみて我を忘れそうになっていた。

「おい、瀬良」

 優介の声が耳に入った時、紫絵里は我に返った。

「えっ?」

「さっきから呼んでるのに無視しやがって」

「ご、ごめん」

「どうした? なんか顔色悪いぞ。もしかして具合悪いのか?」

「ううん、大丈夫」

「そうか。勉強のしすぎで寝不足なんじゃないのか。無理するのもわからないでないけど。気をつけろよ」

「うん、ありがとう」

 気軽に声を掛けてくれ、そして気遣ってくれる優介。

 沢山の言葉を交わし、ふざけ合い、そして笑い、一緒に居ればとても楽しい。

 ここまで優介と親しく話せるのは紫絵里の他にはいないし、クラスで目立つ瑠依でも成し遂げられなかった。