ハッシュハッシュ・イレイザー

「それで、その後優介は何を言ったの?」

 真理からこの日起こった事の話を聞いていたマリアは、興味津々にベッドから身を乗り出して聞いていた。

「それが、その時、担任の鮎川先生が来ちゃって、いつまで教室に残ってるんだ、早く帰りなさいって、怒られちゃった。それで慌てて教室出たものの、話の腰折られちゃって言葉続かずで、結局帰る方向違うから最後は『試験が終わったら、今日の放課後みたいにまたゆっくり話そう』で終わり」

「あら……」

 聞いていたマリアの方ががっかりとして体から力が抜けていた。

「だけど、ドキドキだったんだから」

「でも、私の言った通りになったでしょ。優介は真理に好意を持っているから近づいて来た」

「そ、そうかな。たまたま会っただけで、あれは偶然に起こっただけ」

「真理! もっと自信持ちなさい。あなたはとても魅力があるのよ」

「ちょっと待って、顔がそっくりなマリアがそれを言ったら、なんか変」

「何が変なの。それくらい自信を持ちなさいっていってるだけ」

「本当に松永君は私の事気にかけてくれてるのかな。紫絵里よりも」

「当たり前でしょ。紫絵里なんてあなたの引立て役じゃない。どんなに努力したって、真理の自然な美には敵わないわよ。それに気が付かない紫絵里が哀れだわ」

「だけど私はこれからどうしたらいいの。毎日学校で紫絵里と顔を合わせるし、私が松永君に近づけば、彼女は絶対に許さないと思う」

「いいじゃない、それで。反対にもっとけしかければいい。私ならそうする」