すぐに向かうとだけ言って、希和は店を飛び出し、そこから自転車で15分の業務用品店へ自転車を飛ばした。

店につき、土下座する修二のクセ毛頭をひっぱたき、ホイップクリームを買って、二人で店を出た時には11時をまわっていた。


汗だくになりながら学校に戻ると、紅子はすでにエプロンをつけ、他の店番と談笑していた。

二人を見て満面の笑みを浮かべる。

「うわーありがとう希和!浜安君もありがとう!これでお店出せるね!」

「ほんとすまない。俺のせいで」

「全然大丈夫だよー!気にしないで浜安君」

汗1つかいていない紅子はふわふわと微笑む。

修二は申し訳なさそうな表情を残してその場を後にした。

「じゃあ、生地、焼こっか。」

希和もエプロンをつける。

「あ、待って希和、手洗ってこないとダメじゃん。始めておくから手洗ってきて」

紅子が言い放った。

「それとさ、さっき希和が買い物出た後に染井冬生くんて子が来たよ。希和と部活同じなんでしょ?
すっごく面白い子だね。初めてなのにおしゃべり盛り上がっちゃった」

「え?」

思わず紅子を見た。