「したら、わたし行くわ。チャリとってくる」

「え、希和行ってくれるの?」

紅子が嬉しそうにぴょこんと軽く跳ねたので、チョコレート色のふわふわした髪と白いプリーツスカートが揺れる。

「私もクリーム探す。浜安君はいつものスーパー見て。私北町の業務用品店覗いてくるから」

「いや、俺が北町行くわ。磯井さん本当にごめん」

希和は若干うんざりした気分で自転車にまたがって、学校からほど近いスーパーを目指した。

冷蔵庫壊れてた時点で電話してくれればこんなことにはならなかったのに。

店についたものの、ホイップクリームはすっかり売り切れていた。

泣きそうな気分で修二に電話をかける

「浜安君、そっちあった?」

「あったよたくさん」

良かった!希和はほっとして電話を切ろうとした。戻らないと、冬生が店に来るかもしれない。しかし、修二の言葉には続きがあった。

「あったんだけどさあ」

「なに?」

「財布入れたカバン模擬店に忘れてきた」

「シネ」