純愛☆カルテット


冬生は誘われたことを紅子に言わなかったらしい。

(まあ、行かなかったんだから言う必要もないか。) 

彼女は他の男と食事に行っている反面、彼氏は遊ばずに恋人の帰りを待っている図は滑稽なようだが、

冬生の気持ちを考えると、希和はいたたまれなくなった。

「紅子って浜安君のことどう思ってるの?」

希和は紅子の横に立ち、髪を直している風を装いながら聞いた。

「んー?どうって、普通に、友達。希和のほうが浜安君と仲良さそうに見えるけど。」

紅子はいたずらっぽくほほ笑んだ。

笑顔を見た瞬間、過去に恋人から言われたことを思い出し、胸がずきりと痛んだ。

鏡の中の笑顔から目をそらし、希和は

「そんなこともないよ。ちょっと話したりするだけ」

とだけ返した。