純愛☆カルテット

一時間目の休み時間にトイレに行くと、紅子が一人鏡の前で髪を直していた。

「あ、希和だ。」

鏡越しに紅子が笑いかける。

周りには誰もいない。

「ねえ紅子、昨日誰かとご飯行ったの?」

相手を知っているのに、この聞き方は我ながらいやらしいと希和は思った。

「ああ、浜安君とね、ハンバーグ食べに行った。冬生から聞いたの?」

「ご飯食べに行くとは聞いてたけど相手までは聞いてないよ。」

笑いながら言ったものの、少々ぎこちなさが出てしまう。

しかし紅子は特に気にしている様子もなく

「だって浜安君と行くとは言ってないもん。」

とケラケラ笑った。

それ、浮気と思われても仕方ないじゃん。

心に浮かんだことをなんとか飲み込み、希和は「こらこら!」といたずらっぽく紅子の腕をつついた。

「実は昨日部活の同期とラーメン行こうと思ってさ、染井君も誘ったんだけど断られちゃった。」