希和が毎日使っている駅の前にある、チェーンの居酒屋。
まだ七時半を過ぎたころなのに、すでに仕事終わりのサラリーマンが顔を赤くして盛りあがっている。
紺の作務衣に黒いエプロンの店員が、希和たちのテーブルに頼んでいたビールを盛ってくる。
「磯井さんビール飲むんだ。」
「磯井でいいよ。最近やっと美味しく感じるようになった。」
形ばかりにジョッキを合わせる。
「磯井…さんは」
修二が切り出す。
「なんか今ずいぶんやけくそになってる印象を受けるけど大丈夫なの」
「大丈夫じゃないね!好きな人とクラスメートのデートシーン目の当たりにしたんだから」
希和はため息をついた。
「でもさ俺」
修二がジョッキに口を付ける。
「なに?」
「ついこの間樋本さんが別の人と駅ビルの本屋にいるの見たよ。」
薄い唇についた泡をペロリと舐めて、修二は続ける。
「相手は知らない人だったけど、仲良さそうにしてたな。」
まだ七時半を過ぎたころなのに、すでに仕事終わりのサラリーマンが顔を赤くして盛りあがっている。
紺の作務衣に黒いエプロンの店員が、希和たちのテーブルに頼んでいたビールを盛ってくる。
「磯井さんビール飲むんだ。」
「磯井でいいよ。最近やっと美味しく感じるようになった。」
形ばかりにジョッキを合わせる。
「磯井…さんは」
修二が切り出す。
「なんか今ずいぶんやけくそになってる印象を受けるけど大丈夫なの」
「大丈夫じゃないね!好きな人とクラスメートのデートシーン目の当たりにしたんだから」
希和はため息をついた。
「でもさ俺」
修二がジョッキに口を付ける。
「なに?」
「ついこの間樋本さんが別の人と駅ビルの本屋にいるの見たよ。」
薄い唇についた泡をペロリと舐めて、修二は続ける。
「相手は知らない人だったけど、仲良さそうにしてたな。」


